カナダのハリファクスでワーホリ中のこぼれ雨でござる。
本日はお出かけシリーズではなく、シェアハウス生活の衝撃報告でござる。
なんとシェアメイトが一名、追い出されることになった。
退去の原因、解決までのプロセス、個人的な想いなど、できる限り綴った。
これからワーホリ予定の人、シェアハウスに住む予定の人はぜひ読んで行ってほしい。
内容は胸糞なので、読んでいてしんどくなったら無理せず途中で離脱してくだされ。
はじめにシェアハウス情報
前回までのあらすじ!
ではないのだが、本記事を読み進めるにあたっての拙者のシェアハウス情報をまとめる。
住人(最大3名)
・拙者
6月入居の新人。皆さんご存知、陰キャで潔癖大人しくて綺麗好きでアニヲタな『ザ・日本人』。
週3パートタイムで普通に体力もたない。
ギリホリしている時点でアラサーなのは分かってくれ。
・ドラテクネキ
60代女性。4月入居のオンタリオ州出身(←本人の希望でカナダではなく「オンタリオ州」)。
ワイスピもびっくりのドラテクを持ち、よく車に乗せてくれる。
拙者ほどではないが内向的で、現役理系エンジニア。
・マツパ姐さん
50代女性。ウクライナ出身。シェアハウス初の入居者で3年以上住んでいる。
バイトを2つ掛け持ちし、母国の家族のために一日14時間働く猛者。
休みの日はまつ毛パーマに通う。
オーナー
車で30分ほどの距離に住んでいる女性。
元々住んでいた家をシェアハウスとして貸し出している。
自認がスクルージのおもしれー彼氏と共同経営している。
(スクルージはチャールズ・ディケンズ作『クリスマスキャロル』参照)
オーナーの人となりはこちらでもちょこっと触れておりまする↓
主な禁止事項
・生物学的男性を連れ込むのは禁止
・酒と煙草はコテージのみ可。マリファナ厳禁
・パーティ禁止
・土足厳禁
さて、シェアハウス情報が出揃ったところで、追い出された1名は誰だと思う?
そうです。
マツパ姐さんです……(´・ω・`)
何が起こったのか?
事が起こったのは10月某日の夜。
夕方6時くらいにマツパ姐さんがバイトから帰宅。
と同時に、ウクライナ人の友人二人を連れてきた。
二人とも男!
な時点でダメなのだが、どうやらこの2人同士で付き合っているらしい。
「彼らはゲイだから大丈夫」とのこと。
しばらくすると晩餐会を始め、アルコールが入ったのかだんだんと騒がしくなってきた。
拙者は部屋に引きこもっていたのだが、ショットグラスがあったので間違いなく飲んでいる。
最悪なことに、男性の内の片方はとにかく酒癖が酷く、拙者やドラテクネキに執拗に絡んでくる。
下図がざっくり見取り図なのだが、トイレやシャワーを使いに1階へ降りる必要がある。
そのタイミングを狙ってダイニングから出てくるのだ。

この輩のパーソナルスペースはちょっとどうかしており、普通に肩とか組んでくるし、恋人なのは連れの男性のはずなのにマツパ姐さんに普通にチューする(しかも口に)
ちなみに、このカップルは30代くらいで、マツパ姐さんとは親子くらい年が離れている。
ひょえーーーーーーーー。
何より、爆音で音楽をかける。
日本でも最近問題になっているが、外国人ってスピーカーで爆音流すの好きやんね……。
て思ってたんやけど、アレ外国人同士でも嫌悪感あるらしい。
そんで、この酔っ払いニキがもうBGMで壁が振動するレベルで曲流すんよ。
そんで歌うし叫ぶ。
しまいには物凄い足踏みしたりして、彼らが滞在していたダイニング上部にある拙者の部屋なんて揺れておりましたからな!?
足踏みにとどまらず、いろんな場所がぶつかるような音も聞こえ、家具が破損しているのかと疑うレべル。
しかも、コテージとダイニングを繋ぐドアを開けっぱなしたまま煙草を吸うので、煙がめっちゃ家に入る!
なにより我慢できなかったのは、一向に帰ろうとしなかったことでござる。
まさか泊まらせる気じゃないだろうな?と疑った。
日付を超えても帰る気配はなく……それどころか騒音はエスカレートする一方。
この時点で階段の上から拙者は証拠となるビデオを2本撮影していたのだが、3本目を撮影中についにドラテクネキが起きてきて怒鳴る事態に。
ドラテクネキは普段夜10時くらいには就寝する。
さぞ耐え難いことだったろう。
ドラテクネキが怒鳴ったことで、カップルの片方は帰ろうとしたが、如何せん酔っぱらっており、「ごめんね~許して~」という、逆に煽っているかのような軽い謝罪だけ入れてきた。
しかも、「ごめんね」は口だけで、玄関に向かう素振りもなし!
拙者も12時には寝たかったので、正直言ってめっちゃ怖いけど1階に降りて「今すぐ帰って! 二度と来ないで! 出口はあっち!」と言いにいった。
足はガックガクでござった。
直接顔を合わせられる距離で注意するのは凄く嫌でござった。
なんせこの男性2人、めっちゃガタイいいのでござる。
しかも酔っ払いの方は長い手足で踊り狂うので、下手すら蹴られるのでござる。
実際、机や椅子にぶつかった挙句、家具に逆ギレするという痴態をかましていた。
直接注意して、無理矢理彼らの鞄を玄関から投げ捨て(←やりすぎたかもしれん)た拙者。
ここてやっとマツパ姐さんが我々2人に一言入れにきた。

5分だけ時間をちょうだい。帰らせるから。
それでいいでしょ? 他にどうしてほしいの?
問題にしたければどうぞ
正直、マツパ姐さんは英語があまり堪能ではなく、いわゆる「カタコト英語」なのは拙者でも分かる。
それでも直接訳せばこんなかんじでござった。
というか、顔が全然反省してない……。
でもとりあえず帰らせてくれるというので、拙者とドラテクネキは彼女の言う通り5分待つことに。
そして5分が経過。
いや、帰らへんのかい!
なんとなくそうやろなとは思っていたけど!
結局20分くらいで外に出てくれたのだが、家の外でも叫び続けていた。
これでは近所の人からも責められると危惧していたのだが、なんとか去って行くのを確認できた。
この20分間でも、特に酔っ払いの方が帰りたくないとゴネて、靴を履いたまま家の中に戻ってきたりした。
それも、入り口のドアを開けっぱなしで。
カップルの内の比較的マシな方は、拙者が「帰って!」と強めの言葉で注意するとシクシク泣き始め、なんだか拙者の方が悪者のようなかんじになってしまった。
あとからドラテクネキに聞いた話だと、彼はすごく繊細な性格なのだとか。
いや、知らんけど。
結局、彼らが帰った後も拙者の体は完全に緊張・興奮状態になっており、とても寝付けなかった。
あまりの疲労に「翌日は寝溜め!」といきたかったのだが、そうもいかなかった。
オーナーに連絡
休んでいる暇もなく、翌日は爆速でオーナーへの報告に取り組んだ。
以下は、拙者がオーナーに送った文面の日本語抜粋になる。
マツパ姐さんが昨夜、ゲイカップルを語る2人の男性を連れ込み、夜通し飲み明かして大騒ぎしていた。
具体的には(略)などの行動を取っており、家のどこかが損傷しているかもしれない。
ほぼ音声のみだが様子の分かる動画を3本添付したので確認してほしい。
最終的に私とドラテクネキが注意することでなんとか帰ってもらうことができた。
私は結局眠れなかったが、どうせ翌日の予定もないので問題ない。
しかし、ドラテクネキは毎朝職場まで運転している。
もし昨夜の睡眠不足のせいで彼女に二次被害が起こったらと不安だ。
一応マツパ姐さんは謝罪を入れてくれたが、私には彼女が反省しているかどうかは判断しきれなかった。
我々は互いに英語を母国語とせず、また、私は人生経験が浅いため、理解のズレがあるかもしれない。
そこで、オーナーであるあなたに以下の3点をお願いする。
・できるだけすみやかにシェアハウスに来て、破損個所がないか確認してほしい
・マツパ姐さんにあなたの方から直接注意し、彼女が何を考えているのかなどを話し合ってほしい
・マツパ姐さんに、二度と彼らを連れ込まないように約束を取り付けてほしい
今回彼女は問題を起こしたが、基本的には新参者である私に親切だった。
また、彼女は大変な状況にある母国から一人、家族と離れてカナダに出稼ぎに来ている。
彼女の孤独とストレスは私の想像を遥に超えるものに違いない。
異国の地で同郷の人間を見つけたら自分の懐に入れたくなるのは当然だろう。
働き詰めの日々でたまには羽目を外したくなる時もあるだろう。
マツパ姐さんに可能な限り心温まる時間を過ごしてほしい。
そして、私を住まわせてくれるオーナーであるあなたに誠実でいたい。
この問題を公平かつ合理的に解決するため、あなたの助けが必要だ。
全然抜粋じゃないやんというツッコミは置いておいて、以上が拙者の報告内容でござる。
さて、拙者の報告に対するオーナーの対応や如何に。
オーナーの対応
喜ばしいことに、オーナーの対応は迅速でござった。
まず、拙者ともう一人のシェアメイトに謝罪をくれた。
(明らかにオーナーの所為ではないのだが、責任者として)

二人の生活が脅かされる事件が起こったこと、本当に申し訳ない。
こんな暮らしは想定していなかったよね。
次に、拙者の要望の一つである破損個所の確認も報告の翌日に来てくれた。
そして、マツパ姐さんとの話し合い。
これも、彼女が仕事を休みの日に合わせて、それでも事件発生から1週間以内には聴取をしてくれた。
オーナーはマツパ姐さんとの話し合いを終えたその日の内に、その内容を教えてくれた。
まず、マツパ姐さんはパーティをしていたことと男性二人を家に上げたことは認めたらしい。
しかし、なんと「お酒は一切飲んでいない」と頑なに認めなかったそうだ。
つまり、酔っぱらってバカ騒ぎなどしていないと。
いやいやいや
拙者が1階に下りたとき、空気吸っただけで喉焼けそうやったからな!?
どんだけ度数強いアルコール飲んでんねやと。
証拠ビデオの存在もあって、オーナーは拙者の話を信じてくれた。
また、マツパ姐さんが正直に話さないことを大変残念に思っていた。
オーナーとオモシロ彼氏が話し合った結果、マツパ姐さんは退去が言い渡された。
とはいえ、次の住居を探したり、冷蔵庫の中身を使い切ったりするなど、準備期間が要る。
また、マツパ姐さんはクリスマスシーズンあたりで母国に一時帰国を予定していたこともあって、退去は2月末まで猶予が与えられることになった。
え、オーナー優しいな。
海外シェアハウス事情でよく聞くのは、「退去は突然に」というパターンでござる。
退去する本人の事情など一切考慮されずただ追い出されて路頭に迷う、というやつですな。
それに対し、今回の原因は明らかにマツパ姐さんにあるのに、彼女の予定を考慮して約4か月の猶予!
なんと寛大な。
しかーし!
オーナーの慈悲を踏みにじる行為は続く……。
トラブルは退去時まで……
さて、時は進んで11月始めのマツパ姐さん退去日。
マツパ姐さんは友人のシェアハウスに空き部屋があるということで、速攻そちらに移ることになった。
その日は拙者はバイトがあるので起きていたのだが、8時頃から下階が騒がしい。
どうやら、マツパ姐さんの職場の友人が荷運びの手伝いに来ていたらしい。
(今回の友人はさすがに女性だったし、家には上がらなかった)
小一時間後、オーナーとオモシロ彼氏が退去立ち合いおよび清掃のためやってきた。

マツパ姐さんおる? 退去立ち合いしに来たで

新居に荷物運んでるからおらんで。鍵は部屋のドアノブに刺してあったぞい

立ち合いは12時からって向こうが指定してきたんだけど!?

だ、だが、冷蔵庫と冷凍庫の中身も残ってるし、もう一往復しに戻るのでは……?

家の鍵残して行ったってことは戻る気ないやつ! 確信犯からの有罪!
要は夜逃げならぬ朝逃げですな。
よほど顔を合わせ辛かったのか知らんが、いくら退去の原因が自分にあるとはいえ不誠実でござる。
でも甘ったれ侍の拙者、さすがに冷蔵庫の中身がかなり残っていたのでワンチャン戻ってくるのではと思っていたのでござる。
残念ながら拙者はバイトへ赴いたので後から聞いただけなのだが、やはりマツパ姐さんが後片付けをしに来ることはなかったそうだ。
いやいや困るて……。
なんせ、冷蔵庫と冷凍庫のスペースの大半をマツパ姐さんが占めていたからな。
どうしようかと狼狽える拙者とは対称的に、怒り狂ったオーナーは「問答無用!」とすべてゴミ袋へ。
しかもゴミはなんとガレージにも隠してあったらしい。
最悪なことに、粗大ゴミに分類されるデカい家電とか分解できんやつとかね。
これの処置としては、オモシロ彼氏がトラックで直接ゴミ処理場まで運ぶことで蹴りを付けたようだ。
これ日本の賃貸とかやったら、退去時に残っている物の処分にお金取られるやつやんな???
さらにオーナーが部屋の掃除をしたタイミングで分かったことなのだが、なんと彼女はアル中に片足を突っ込んでいたらしい。
クローゼットの中から大量の空き缶(もちろんアルコールの)が見つかったんだとか。
せめてゴミに出してくれ……。
もちろんオーナーぶち切れでござる。
オモシロ彼氏に至っては「サイコなのか……?」と言っていたレベルでござる。
事件発生からオーナーの対応含むマツパ姐さんの退去までは、このように残念な形で一応終息した。
これからシェアハウスに住む予定の人へ

しんどい話をここまでよんでくれた読者諸君、ありがとう。
最後に、これから海外でシェアハウスに住むことを考えている人に伝えたいことがある。
それぞれ軽く触れていくぞい。
シェアハウスのルールは守る
まず前提として、当然シェアハウスのルールは守ろう。
とはいえ、中には時の流れによって変えた方がいいものもある。
もし不都合に感じるルールがあれば、オーナーに掛け合ってみるのがいい。
それ以外は基本的に守ろうぞ。
まず自分がルールを守っていなければ、他の人が破ってもそれを攻める筋合いはない。
というか、仮に責められても説得力に欠ける。
他人に信じてもらうためにも、まず自分自身が信じてもらえる行動を取ろう。
問題があればオーナーに連絡する
問題があればオーナーに報告しよう。
住人同士で問題が起こった際、直接シェアメイトに働きかけるよりオーナーを介するのが望ましい。
個人間だと思い込みや誤解、一方的な都合などで禍根が残る可能性もある。
公平を期すため、オーナーに間に入ってもらうのがおすすめでござる。
また、報告することそのものが、オーナーとの信頼関係の構築になる。
なにも、密偵になれとかそういうのではない。
違反があったのに見て見ぬふりや黙認することは、あなた自身が違反行為に加担していることにもなるからだ。
ちょっと嫌な言い方をするなら「優先順位を付ける」ことになるが、住人よりオーナーとの関係を先に整備するのがよいと思われる。
人を招くのは慎重に
そもそも、男でなかろうと、住人ではない他人を家に上げることにはリスクがある。
例えば、その客人が家屋を傷つけたとして、それを報告できてもリアルタイムで撮影した証拠がなければ、我々の責任ではないと証明することはできない。
逆も然りで、我々が普段暮らしている中で起こってしまった破損を、たまたま来た客の所為にして報告することもできるということでござる。
冤罪やでっちあげを生まないためにも、住人ではない人を家に上げることには慎重になった方がいい。
今回の件では、男禁制の物件に対し、自称ゲイカップルの二人がやって来た。
しかし、ゲイというのはあくまで彼らの自己申告であって証明する術はない。
実際に、不純異性交遊を禁ずる目的で男子禁制としているシェアハウスに「ゲイだから女性に興味がないからだ大丈夫」と言って家に入り込み、ちゃっかり女性と乳繰り合っていた、なんていうケースはあるそうだ。
また、オーナーの意見としては

女性と男性ではどうしても細かいところまでの気配りや衛生観念が違う場合が多い。
身元の知れない男性にトイレを使われて綺麗で済むとは思えない
とのこと。
主語を大きくするようで申し訳ないが、これには拙者も同意見でござる。
汚されるのも嫌だが、カメラを仕掛けるなどされる可能性だってある。
どうしても家に呼びたいときは、事前にオーナーや他の住人に一言尋ねるのがよいだろう。
事件に対する個人的な気持ち
今回の事件を受けて、正直とても複雑で残念な気持ちになってる。
気持ちの行先としては、マツパ姐さんと自分自身に対してでござる。
改めて文字に起こしてみて、すごく後味が悪いなと思ったのだが、もしかしたら今後読者の中から拙者と同じ体験をしてしまう人もいるかもしれないので、書き残しておくことにする。
なお、ここからは非常にセンシティブかつ誤解を招く恐れのある内容になるが、冷静に読んでほしい。
また、読むなら最後まで読んでくれると誤解が抑えられると思う。
・マツパ姐さんに対して:「同情に付け込んでいる……?」
・自分自身に対して:「通報という退去への最後の一手」
マツパ姐さんに対して:「同情に付け込んでいる……?」

拙者が個人的に苦手な酔っ払い。
そしてそもそも家に上がってはいけない生物学的男性である二人。
マツパ姐さんにとって、彼らは異国で見つけた同胞でござる。
きっと第二の家族も同然の絆で結ばれているのだろう。
しかし、第三者からすれば「見知らぬ男性」なのだ。
申し訳ないが、彼らが我々にとっても良い人とは限らない。
当シェアハウスでは、拙者やドラテクネキ以前にも何人か住んでいた人がおり、その誰もがオーナーに人柄を信頼されて入居を許可された人たちだった。
しかし、初の入居者だったマツパ姐さんだけは違ったらしい。
当時のマツパ姐さんの男家族は戦地へ、そして孫まで到る他の家族はウクライナを離れられないでいた。
家族のために兵役以外の仕事でお金を稼ぐことができるのはマツパ姐さんだけだそうだ。
オーナー個人としてはあまり性格は合わなかったが、ウクライナからの半出稼ぎ半亡命のような形だったこともあり、悲惨な境遇に同情して受け入れることにしたそうだ。
その頃はまだ一緒にシェアハウスに住んでいたオーナー。
今回ほどではないもののマツパ姐さんによるちょっとした問題がいくつもあったそうだ。
その度に話し合いはするが、カナダに来たばかりで今ほど英語もできなければ伝手もなかったマツパ姐さんに出て行けと言うことはできなかったと語る。
一方、意思疎通はスムーズではないながら、追い出されることはないことを察したらしいマツパ姐さん。
さらにそこに付け込んだのか、マツパ姐さんの態度や要求は徐々に大きくなっていったそうだ。
最終的には、マツパ姐さんと暮らすのが辛くなってオーナーが家を出ることに。
本来ならばマツパ姐さんを退去させる権限があるのだが、ウクライナの事情もあり非情になれずにいた。
オーナーは気が優しく、悪い言い方をすれば情に流されやすいタイプ。
しかもその背景が「戦争」ときた。
そして、欧米諸国にありがちな「英雄症候群」や「ノブレスオブリージュ」。
進んだ文化、発展した大国、誇り高き国民性。
誤解を恐れず言うと、彼らは人助けに囚われやすい。
オモシロ彼氏によると、周囲でもウクライナ人を受け入れている人、これから受け入れるために新規にシェアハウスを始めたいと思っている人が多いそうだ。
それくらい「困っているウクライナを助けたい」「助けるべきだ」「助けなければ」という考えが強いのが今のカナダでござる。
拙者的には、マツパ姐さんの境遇には同情する一方、だからこそ余計に「どうしてそんなことを」と思う。
こちらからの解釈でしかないが、ここまでの話を聞くに「戦争被害者に対する同情に付け込んでいる」と捉えるのは自然な感情だろう。
今回の件、根本原因は戦争にある、と考える人もいるだろう。
しかし、果たして本当にそうだろうか。
母国が侵略されているマツパ姐さんなら、自分のテリトリーが脅かされる怖さや悲しみを誰よりも分かるはず。
それでも、環境に余裕が出てきたらその気持ちも忘れてしまうのだろうか。
他所へ来れば関係ないと思っているのだろうか。
一度受け入れられたらどんな要求も通ると思っているのだろうか。
自分を受け入れてくれた人にどうしてそこまで失礼なことができるのだろうか。
助けてもらえることが当たり前になってしまったのだろうか。
『助ける』って何なのでござろうか。
今回の一件の残念な部分はそこだけではない。
下手すれば、ウクライナ人という大き単位で不利になるのでござる。
もちろん、拙者オーナーもすべてのウクライナ人がマツパ姐さんのようではないという考えを互いに確認した。
けれど、彼女が連れてきて暴れた二人もまたウクライナ人。
身近な体験談として、これほどリスペクトに欠けるウクライナ人を3人も知ってしまったら、「もしかして全員そうなのかな」と思われても仕方がないと思う。
というか、彼ら自身は「ウクライナ人全体の印象を下げてしまうかも」とは考えなかったのだろうか。
今日の日本でも迷惑な外国人が時々話題になっている。
もちろん、悪目立ちしているのは一部の人たちで、中にはモラルのある人もいる。
大事なのは国籍より個人の内面だと理屈では分かる。
けれど、気持ちで納得するのが難しくなるのも無理はないと思う。
体験してしまったら尚更でござる。
偏見だと言われたらそれまでだが、拙者は実体験を経てそう思った。
拙者とて、時間制限付きとはいえ異国からカナダに住み着き、現地人雇用枠の一つを埋めてしまった人間。
極論を言えば、カナダに来なくても働けたし、平和な日本で今まで通り暮らしていればよかったはずでござる。
それでも、ワーホリをしてみたく、こうして生活に混ぜてもらっている。
我々アウトサイダーというのは、自分で道を切り開いていることは事実だが、元々あった生活に入れてもらっていることだって同時に真実でござる。
拙者のワーホリは残り半年程度ではあるが、元々カナダで生活を築いていた人や受け入れてくれたオーナーなど、あらゆる人への感謝を忘れることなく過ごしていこうと改めて思った。
自分自身に対して:「通報という退去への最後の一手」

今回の事件において、拙者は通報した身。
つまりはマツパ姐さんが退去する最後の一手を打ったようなものでござる。
あまり気分のいい話ではござらんな。
残っているドラテクネキからしても、拙者は何かあれば通報するタイプの人間だという認識になるだろう。
(そういう考えをする人ではないし、問題を起こす人でもないが)
拙者はそもそも誰かを断罪したり白黒つけるのが好きではないというか得意ではない。
なので、騒動の後はとても疲労感が残った。
また、今回はたまたまマツパ姐さんの新居がスムーズに見つかったが、もしそうならなければ彼女を路上生活に追いやることになっていたかもしれない。
考えたって仕方のない「たられば話」だが、しばらくの間、拙者は自分の選択と行動が最善だったのだろうかと何度も考え直してはドツボにはまっていた。
そんな後日、オーナーから連絡があった。
拙者の通報にとても感謝しているとのことでござった。
先述の通り、オーナーはマツパ姐さんとの生活に限界を感じていたものの、「戦争被害に合った人間を見捨てることになるのではないか」と踏み切れずにいた。
しかし、今回の拙者の通報で踏み切れたらしい。
追い出すために申し分のない理由ができた、とでも言おうか。
他の住人から証拠付きの通報があれば覆しようがない。
また、当時はマツパ姐さんの二人暮らしだったオーナーは「自分さえ我慢すれば」思考だっが、今はマツパ姐さん以外に二人の住人がいる。
その二人の安心を犠牲にしてまで住まわせ続ける道理がないと言うこともできる。
これを聞いてもなお複雑であることは変わらないのだが、「やっと離れられた」とオーナーの肩の荷が下りているのを見て、少なくとも間違ってはいなかったのだろうと思えた。
おわり
以上、拙者のシェアハウスで起こった追い出し事件の全貌でござった。
カナダに限らず、ワーホリの体験談として、シェアハウスの住人がトラブルを起こして追い出されるというのは何度が耳にしたことがある。
けれど、まさか自分の滞在先で起こるとは思っていなかったので驚きでござる。
また、他人の悪い行動を見つけて残して突き出すというのは、なかなか気分の悪いものでござった。
こんな想いを他のシェアメイトにさせたくないし、今度は拙者が通報される側にならないように我が身を振り返らねばならぬ。
シェアハウスに限らず、生きていく上で必ず他人と関わることになる。
お互いに尊重しあって過ごし、合わないなら合わないなりに打開策を考える生き方をしたいものでござる。
ここまで読んでくれてありがとう。




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